宅建業免許の更新手続き完全ガイド|書類・費用・申請の流れ

逆に言えば、ここさえ押さえて余裕を持って動けば、更新は難しい手続きではありません。私は行政書士として8年、宅建業免許の申請サポートを専門にやってきました。
この記事では、必要書類・手数料・窓口と電子申請それぞれの流れ、そしてうっかり失効を防ぐ注意点まで、自分のケースで何をすればいいかが分かるように整理します。
宅建業免許の更新手続きとは?基礎と全体像

まず全体像から。宅地建物取引業免許は有効期間が5年で、これを過ぎると継続して営業できません。だから満了前に必ず更新申請が要ります。
宅建業免許の更新手続きとは?基礎と全体像
いったん全体像を押さえます。宅建業免許の有効期間は5年。更新しなければ営業を続けられないため、満了前に更新申請が必須です。

申請の難易度ですが、新規より楽だと感じる方が多いです。すでに事務所も専任の宅地建物取引士も揃っている前提なので、書類を整えて期限内に出すのが主な作業になります。
準備するもの:免許証番号が分かる手元の免許証、専任の宅地建物取引士の登録情報、事務所の状況を示す資料。これがあれば書類作成にすぐ入れます。
所要時間の目安は、書類作成に半日〜1日、審査が下りるまで自治体ごとの標準処理期間がかかります。愛知県の標準処理期間は40日と公式に案内されています。
更新が必要な理由は単純で、5年ごとに免許の有効性を行政が確認するためです。事務所や役員、専任の宅地建物取引士に変更があれば、その時点の状態で再び審査されます。
更新申請は有効期間満了日の90日前から30日前までに行う必要があります。神奈川県は「必ず期限内に手続きをしてください」と明記しています。
私の感覚では、90日前ちょうどに着手する人は少数派です。多いのは満了の2ヶ月前くらいに気づいて慌てるパターン。書類の取り寄せに時間がかかることもあるので、できれば満了3ヶ月前にカレンダーへ印を付けておくと安心です。
| ステップ | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | 手引き・様式の入手 | 当日 |
| 2 | 書類作成・添付資料の準備 | 半日〜数日 |
| 3 | 窓口または電子で申請 | 当日 |
| 4 | 審査 | 標準処理期間(愛知県は40日) |
| 5 | 新しい免許証の受取 | 審査完了後 |
更新申請に必要な書類と添付資料
書類は「全業者で共通のもの」と「法人か個人かで変わるもの」に分かれます。詳細は各自治体の手引きが正ですが、ここで全体像をつかんでおきましょう。

共通で必要になるのは、免許申請書一式、宅地建物取引業経歴書、事務所を使用する権原に関する書面、専任の宅地建物取引士の設置を証する書面などです。様式は自治体の手引きからダウンロードできます。
正直に言うと、更新でつまずく一番の原因は「前回から状況が変わったのに更新書類だけ整えてしまう」こと。役員が変わった、事務所を移転した、専任が交代した——こうした変更があると更新だけでは済みません。
法人と個人で添付資料が分かれます。代表的な違いを表にしました。
| 区分 | 主に必要となる添付資料 |
|---|---|
| 法人 | 履歴事項全部証明書、役員・政令使用人の略歴書、決算に関する書面 など |
| 個人 | 本人の略歴書、資産に関する書面 など |
| 共通 | 専任の宅地建物取引士の関係書類、事務所の使用権原を示す書面 など |
専任の宅地建物取引士については、登録が有効か、法定講習の受講状況がどうかを更新前に確認しておきます。ここを放置していると、更新審査の段階で指摘が入ります。
確認方法はシンプルです。手元の宅地建物取引士証の有効期限を見る。期限が近ければ法定講習を受けて更新しておく。これで「ここまでできていれば正しい」状態です。
うまくいかないときは、登録を受けた都道府県の窓口に登録状況を照会します。取引士証の更新と業者免許の更新は別物なので、両方の期限を並べて管理するのがコツです。
更新手続きの進め方を手順で解説

ここからは実際の手順です。1ステップ1動作で並べます。窓口でも電子でも、最初の入口は「手引きと様式の入手」から。
ステップ1:掲載予定地域の公式ページから手引きと申請様式をダウンロードする。神奈川県や愛知県は更新専用ページに様式が並んでいます。ファイルが開ければここはクリアです。
ステップ2:手引きに沿って様式へ記入し、添付資料を集める。証明書類は発行から3ヶ月以内など期限があるので、申請直前に取得します。
窓口申請の手順はこうです。書類一式を作成し、提出先の担当窓口へ持参または郵送する。愛知県は提出先を「都市総務課 建設業・不動産業室」と案内しています。
福岡県では更新申請の審査機関として北九州・飯塚・福岡・久留米の県土整備事務所が案内されています。提出先は地域ごとに分かれるので、自分の事務所の管轄を必ず確認してください。
なお神奈川県は令和7年10月1日から郵送受付を取り止めます。地域によって郵送が使えなくなっている点に注意してください。
電子申請(eMLIT)を使う場合の手順です。ステップ1:eMLITのアカウントを準備する。ステップ2:画面の案内に沿って申請データを入力し、必要書類をアップロードする。ステップ3:手数料を電子納付して送信する。
神奈川県は令和7年4月1日から電子申請(eMLIT)の受付を開始しました。電子申請なら手数料が安くなるので、対応地域なら私はこちらを勧めます。
つまずきやすいのは、アカウント準備に時間がかかる点。法人としての利用登録に数日見ておくと安全です。申請ボタンを押す前に「アカウント準備」を済ませておくのが正解です。
完了状態の目安:申請後に受理の連絡が来て、標準処理期間を経て審査が下りる。愛知県なら40日が目安です。新しい免許証は審査完了後に受取となるため、満了直前の申請は受取が間に合わないリスクがあります。
この手順どおり進めれば、「様式の入手から申請の送信まで」を自力で完了できます。あとは審査結果を待つだけの状態です。
更新手数料と支払い方法
気になる費用です。更新手数料は紙申請が33,000円、電子申請(eMLIT)が26,500円。差額は6,500円なので、電子が使えるなら電子の方が得です。

| 申請方法 | 更新手数料 |
|---|---|
| 紙申請 | 33,000円 |
| 電子申請(eMLIT) | 26,500円 |
納付方法は自治体でバラバラなのが厄介なところ。紙申請でも「収入証紙」「証紙廃止後のキャッシュレス」「現金納付」と運用が分かれます。
具体例を挙げます。大阪府は更新手数料33,000円を現金納付へ移行しました。神奈川県は令和7年10月1日から収入証紙による納付を廃止し、キャッシュレス決済等を導入します。
だから「窓口に行ってから証紙を買えばいい」という昔の感覚は危険です。事前に自分の地域の納付方法を確認し、現金を用意するのか、電子納付なのかを決めておきましょう。
行政書士に依頼する場合の費用相場ですが、私の周辺の感覚では数万円台が中心です。手数料(33,000円または26,500円)は別途かかります。
依頼するメリットは、書類の不備で差し戻される手間が消えること、変更届を同時に処理してもらえること。デメリットは費用が上乗せになること。正直、更新だけで状況に変化がないなら自力でも十分です。役員変更や事務所移転が絡むなら、私は専門家に任せた方が安いと考えます。
知事免許と大臣免許で異なる更新手続きの比較
事務所が1つの都道府県だけなら知事免許、2つ以上の都道府県にまたがるなら大臣免許です。更新の流れは似ていますが、提出先と窓口が違います。

| 項目 | 知事免許 | 大臣免許 |
|---|---|---|
| 対象 | 1つの都道府県内に事務所 | 2以上の都道府県に事務所 |
| 提出先 | 各都道府県の担当窓口 | 主たる事務所の所在地を管轄する窓口経由 |
| 手数料の傾向 | 自治体案内に従う | 別途規定に従う |
知事免許の問い合わせ先は各都道府県です。愛知県なら都市総務課 建設業・不動産業室、福岡県なら管轄の県土整備事務所。自分の管轄を最初に確認するのが近道です。
複数事務所・支店がある場合、それぞれの事務所に専任の宅地建物取引士と事務所要件が満たされているかを更新時にも確認されます。支店を1つ開いたまま届出を忘れていると、ここで発覚します。
更新と各種変更届を同時に行う手順はこうです。先に変更内容を整理し、変更届と更新申請をまとめて提出する。役員変更や事務所移転は、本来は変更が生じた時点で届け出るものなので、更新まで放置しないのが原則です。
実務では、軽微な変更を更新とあわせて整理するケースはあります。ただ移転や役員交代を長期間届け出ていないと、別途指摘されます。迷ったら管轄窓口に「同時に出していいか」を一本電話で確認してください。
うっかり失効を防ぐ注意点とよくある不備

ここが一番不安なところだと思います。結論、更新申請の期限(満了90日前〜30日前)を1日でも過ぎると、原則として更新では受け付けてもらえません。
申請が遅れた・忘れた場合、有効期間が切れれば免許は失効します。失効すると宅建業を営めません。継続して営業したいなら、新規免許として申請し直すことになります。
これは痛いです。新規扱いになれば審査期間中は営業できず、これまでの免許番号も引き継がれません。だから私はクライアントに「30日前を最終ラインに、できれば60日前に出す」とお願いしています。
有効期間満了後の取扱いは厳しめに見ておくのが安全です。満了日を過ぎたら更新ではなく新規申請の流れになる、と覚えておけば判断を誤りません。具体の救済可否は管轄窓口に必ず確認してください。
差し戻しの原因はパターンが決まっています。神奈川県も、書類不備があると補正や再申請になる場合があると案内しています。下のチェックリストで出す前に潰しておきましょう。
| 確認項目 | ここを見る |
|---|---|
| 申請時期 | 満了90日前〜30日前に収まっているか |
| 証明書類の期限 | 発行から期限内(多くは3ヶ月以内)か |
| 専任の取引士 | 登録有効・法定講習の状況に問題ないか |
| 変更の反映 | 役員・事務所の変更が届出済みか |
| 手数料 | 地域の納付方法(現金・電子・証紙)を確認したか |
更新後に必要な手続きと保証金の取扱い
更新が通っても、それで終わりではありません。保証金まわりと、その後の届出を押さえておきます。

営業保証金または弁済業務保証金分担金は、更新によって新たに供託し直すものではなく、既に供託・納付している状態を維持します。新規開業時のように改めて全額を入れ直す必要はありません。
保証協会に加入している場合は弁済業務保証金分担金の納付状態を、供託している場合は営業保証金の供託状態を、更新を機に確認しておくと安心です。
更新後に役員や事務所、専任の宅地建物取引士に変更が生じたら、その都度の変更届が必要です。更新で一区切りついた後こそ、変更届の出し忘れに注意してください。
宅建業免許の更新手続きに関するよくある質問
最後に、現場でよく聞かれる質問にまとめて答えます。
よくある質問
更新は段取りがすべてです。今日できる最初の一歩は、手元の免許証で満了日を確認し、その90日前と30日前をカレンダーに書き込むこと。それだけで失効リスクの大半は消えます。
